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銀土小話。10日、11日の出来事だと思ってください。





ぱたぱたと小さな音がした。
振り返ると銀色の髪の男が、眠りの淵に沈みながら、
傍らを何度もぱたぱたとたたいている。

腕の中からするりと抜け出した自分を探しているのだろう、
ぱたぱた、腕がなんども布団をたたいていく。

どこにいった。
もどっておいで。

そう、やさしい音がして。
ぱたぱた。
しばらく見ていたが、ぱたぱたはやまない。
傍らにあるのが自然になるほどに、夜を明かしたのだと思い至って。


なんだか泣きたいくらい、幸福だった。

 


 


銀色の切っ先が脳裏を掠める。
犯罪者に盆も正月も祭日も関係ない。
俺たちにもそれは当て嵌まる。
興奮で沸き立つ血の音がする。
生きて帰らなければならない。

感情が昂ぶって眠れない夜の先、
神経は冴え渡り怖いくらい鋭い。

「…行くか、」


一声で気配を尖らせた狼達。
上等だ。

あの優しい指先に、あの腕の中に戻る為に。
目前を乱舞する光に向かって。
さぁ、血を撒き散らしに行こうじゃないか。


「御用改めである…!!」


振りかざした切っ先は光の粒をまとって。
踏み出した足は飛ぶ様に軽かった。

 


 

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