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※ネタバレなのでコミックス派の方はご注意を。


残虐な暴君沖田×終始微笑む土方さん。
カイザー(沖土)小話。
カイザーに飢えてます。
唐突な軍服萌とカイザーに頭がぱーんとなったときに勢いで書いてみましたが、
思ったよりカイザー様があっけない(笑)感じでキャラの掘り下げに悩みました。
カイザー×土方、というかカイザー→土方。というか。
どうしても沖土は沖→土が多くなる…
そしてどうしても残酷になる。
以下にちょっとアップしてみます。続きのアップは需要があれば…
あと、好き勝手書いてますのでなんか違う、と思われてもお赦しを。
とにかく残酷です。



哀しすぎて笑うことしかできない。

夜は長い。
城の空気が不穏だ。

バックコーラスは誰かの叫び声。
合間を縫って嘲笑と囁き。
皇帝の拷問は凄まじいからなと部下が囁いている。
誇らしげに。

馬鹿じゃないのか。

恐怖政治。
ありきたりな単語。
強さを頼みにするものはいつかその強さに足元をすくわれるのだと、先達は言った。
自らが手を汚してどうする。
ただのサディストと思われて、それが上に立つものの器でないといつ、糾弾されるのか。
思い至らないのだろうか。

窓の外を見ていた背に声がかかる。
「土方さん、皇帝がお呼びですよ」
振り向くときにはもう、微笑んで。
「わかった、ありがとう」
こんなにも穏やかな声で、自分の唇が動くことを知ったのはつい先日。
だがもう遠い昔のようでもある。

真っ直ぐ射抜くように見上げれば、皇帝はその視線を受け止めて嫣然と笑った。
赤い絨毯の上で、見せしめの処刑。
まるで物だ。
男は、多分ア、とかそういう呻き以外はいえなくなっているのだろうなと思う。
馬鹿馬鹿しく血に染まった絨毯の上で軽やかに動いてみる。
捕虜の死体、それから、遠い昔に俺の部下だった男の死体。
「捕虜にも最低限の使い道はある」
そういうと皇帝は美しい笑みを深めた。
「こうやって、血を撒き散らしてくたばることだ」
腐敗する寸前の花の香りをふと思い出して、俺は目を一度だけ伏せた。
皇帝がまた独特の声を発した。
「だが土方、お前は俺を楽しませない」

つまり俺の価値は捕虜以下なのだろう。
畜生にも満たないと揶揄される捕虜以下、虜囚以下の命。
なんだか笑い出したくて、微笑みがただの笑いに成り代わりそうで唇を奮わせた。
つまらない。

カツン、と独特の音がして、皇帝は俺の前で足を止めた。
外された手袋の下、そこには確かに生の感覚がある。
その指が頬を撫でた。
「お前の部下をヤッた」
周囲が緊張しているが、この男には虫の羽音以下の煩わしさだろう。
「それは、貴方の部下ということでしょう、皇帝陛下」
反射のように微笑む。もう、慣れた動き。
「かわいげのない男だな」
それきり、興を削がれたといった体で皇帝は出て行く。
ああ、また微笑みがただの嘲笑に成り代わりそうだ。
可笑しな話だ。
出て行くなら俺の方だ。
部下に舐められてしまう。
皇帝、貴方はどうしてそんなにも愚かなのでしょうね。

 

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