忍者ブログ
好きなことを好きなように書いてます。
[31] [30] [29] [28] [26] [25] [24] [23] [22] [21] [20]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


朝の食卓で真選組副長土方十四郎は焼き魚をじっと見つめている。
「死んだ魚みてェな目」
魚の身を綺麗に剥がしながら半分寝ぼけたように
「あいつがオンナだったら抱き合ってこうやって身包み剥がしちまえばコトは簡単なんだがなぁ…」
魚を綺麗な口元に運びながら空恐ろしい台詞を口にして同席していた原田と沖田を凍りつかせた。
気を取り直した沖田が
「メシをマヨ濡れにするだけじゃ飽き足らず、ついには妄言まで口にするたァ、アンタよっぽど俺の食欲を無くしたいんですねィ」
吐き捨てるように言ったが聴こえていない様で、魚の身を綺麗にまた剥がしだす。
嫌そうにしながらも同席している辺りやはり複雑なんだろうか…
と気を利かせてお茶を入れた原田は沖田を見て思った。

隊士たちが騒ぎ出したのを見て、沖田が立ち上がる。
「なんでィ、ありゃあ」
「なんか猫が入ってきたみたいで。最近ノラが多いから」
魚をほぐしていた土方がすっと立ち上がった。
鬼の副長が立ち上がったので皆固唾を飲んで見守る。
何故か手には皿と箸。
おもむろに皿の上の魚を床に置く。
「ほら」
土方が猫に魚をやると猫はにゃーんと鳴いて嬉しげに食べている。
一同は脱力したが、山崎退は違った。

(……旦那にたとえてたのに、簡単に餌にしちゃうんだ…)

己の膳の上にあった焼き魚を何の気なしに猫に与えている副長を見て、
何となく空恐ろしい気分になったのは秘密だ。

怖いのはお互い様だろうと俺は旦那と土方さんを見るといつも思うのだ。



 

拍手[3回]

PR

コメント


コメントフォーム
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード
  Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字


忍者ブログ [PR]
カレンダー
04 2025/05 06
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
フリーエリア
最新コメント
最新トラックバック
プロフィール
HN:
深川
性別:
女性
バーコード
ブログ内検索
最古記事
(05/05)
(05/06)
(05/09)
(05/12)
(05/12)
P R