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断片的ですが、消えたデータを思い出しつつ。
土方少年と壊れた大人たち。

残酷な描写が出て来る予定ですので、苦手な方は閲覧をご遠慮ください。
すみません!
土方少年が首切りのハートの女王様になる過程を書きたかったんです…
あと高土が少ない、と唐突に思ったので…でもあんまりカップリング要素は無いです。



痛みには種類がある。
表層を伝うだけのもの。奥深くまで響くもの。
打撲痕、擦過傷、火傷、痣、腐敗、腫れて熱を持つ皮膚、流血する皮膚。

身体の表面のみを紅く染める痕は、骨まで響く種類の痛みではない。
それでも、一応確認をする。
「骨まで痛む?」
相手は首を振った。
「アイシングでいい?」
相手が頷くのを確認してから、土方は氷嚢をガーゼに包んで
患部にそっと押し当てた。
「この腫れはすぐ引くね」
相手は口の端を切ったようでしきりと気にしては舐めていた。

「薬塗る?」
相手がやはり頷いたので土方はガーゼを使って相手の口の端に薬を塗った。

「自分の手でさせないのでござるか?」
横目に見るとも無しに眺めていた万斉は声をかける。
何も土方が手ずからしてやることではないといつも思っているから。
「やりにくいだろ」
「ガーゼは使いにくそうでござるよ」
「雑菌が入ったらいけないから」
淡々と言う土方に万斉は少し苦笑した。

「店」の店員を帰らせると、土方を手招いた万斉は彼に飲み物を渡す。
「金時さんは、手加減してるな」
素直に礼を言った後、ぼんやりとした表情で土方は言う。
「どうしてそう思うのでござるか」
「骨まで響く傷じゃない。平手で殴ってる」
「殺してしまってはプレイにならないでござるよ」
万斉は至極冷静にそれだけ言うと土方がきちんと水分を摂取するのを見届けた。

「あの人怖いのかな」
「ナニがでござるか」
「自分が」

それきり土方は何も言わず、きちんと片付けをして帰ってしまった。
送る、という万斉の申し出を辞退して。
取り残された万斉は土方の言葉の意味を考えていた。

あの男が怖がりなどするのだろうか。
晋助さえどこかで意識する、あの男が。

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