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本誌での陰陽師も素敵ですが、来週のアニメの土方さんが楽しみで楽しみで仕方有りません…
早速ドSコンビに羞恥プレイ的辱めを受けてましたね…(言葉にならない!!!)
銀魂はほんとうに面白いなぁ…

なんというか、最近土方さんが好きすぎて、うまく小説が書けなかったので、リハビリを兼ねて小話を書いてみました。(前から好きなんですけどね)
好きすぎて、こんなんじゃない、土方さんはもっと男前で美人で…と書いては消し、書いては…
という無限ループに陥りかけてました。
5年もの間ずっと好きなキャラなんでしょうがないですが、痛々しい私…すみません(笑)


オリーブオイルのビンを見ていてふと、思いつきました小話です。
オリジナルキャラにご注意。
土方さんの日常のひとコマ。
あと、管理人は神楽ちゃんも大好きです。
万事屋3人はほんと、好きすぎてなんか超越してますが。

以下からどうぞ。



これでも、上司がどういう人かお供として仕事をしているうちに知りえていた。
が、この人の奥深さは俺ごときが推し量れるようなものではなかったのだろう。

高等な学問を修めるまでにはやや時を有し、気がつけば時代はすっかりと天人に染まっていた。
実学にすれば良かった、と思っても後のなんとやら。
就職先に危ない職場を選んでしまったのは待遇と、切羽詰った事情があった。
もう若くない、という事実は掃いて捨てるほどいる職にあぶれた若い労働力の前では無力だった。
要するに、仕事が無かったのだ。
大規模な人員の配置転換があったときのどさくさに紛れて、なんとかありついたのはなんとテロ対策用特殊部隊。
喰いつめて兵士になる時代の若者と同じだ。
若者でない分悲壮感があるなと自分で哂った。
が、入ってみればそう苦痛でもなかった。
噂に聞く鬼の、といわれた美貌の副長は極めて聡いひとで、見ていて小気味良いほどに粋だった。
おおらかな局長は上官ながら誰かしらにいつも怒られ、しかし頼りにもされていて微笑ましく、
年若い一番隊隊長の規格外の剣の才には男として心が震えた。
隊士も皆基本的に、あまり頭はよくなくとも、快活で善良な若者達だった。
年上の新人の居場所の有無についても、杞憂に終わる。
絶対的に書類処理が出来る人間が不足している屯所においては、自分のような人間でも重宝された。
いや、目前の上司はそのつもりで私を雇ったのだろうと何となく察しがつく。
筆圧の高そうな音を立てて、道行く女がきまって振り向く絶世の美貌を持つ上司は、次々と決裁を終えていく。愛すべき馬鹿である局長様のストーカー癖がいよいよ深刻な事態を迎え、
代理決裁は最早当然の事になりつつあった。
副長の負担を思うと此方の胃まで痛くなる。
この程度のことはしてさしあげたい。
もともとあまり実戦向きではない自分の居場所をこうやって確保してくれているという感謝も勿論ある。
あとは個人的趣味。このひとの顔は殆ど芸術品の域なのだ。
手渡した書類にざっと目を通すと、ゆっくりと頷く。
了承、ということだろうとホッとする。
このくらいしか取り得が無いのだから、お役に立てなければ存在している意味が無い。
「…遅くまでつき合わせて悪かったな。あがってくれ。明日は午後からでいい」
薄い微笑を浮かべ、軽いねぎらいの言葉と共に上司は立ち上がる。
夜勤の隊士に何か指示を出すのだろう。
いつも思うがこのひとは一体いつ寝ているんだろう。

 

「いい匂いだな…」
超過勤務明けの空腹に直撃するような匂い。
まかないの時間には遠いはずの台所に足を踏み入れれば目に付くのは真っ直ぐな背中。
とんとんとリズム良く刻まれているのは変わった形のトマト。
天人が来てからは江戸中に見たことも無い料理や食材がひしめくようになった。
「あの、土方さん…」
「ん」
いつもながらきちんと着こなした隊服のシャツにベストという姿で、包丁を片手に振り向かれて固まる。
「や……何を」
「パスタ、もう茹で上がる」
銀のトングを器用に操りながら茹で上がった麺がボウルに入れられる。
恐る恐る近づくと伏目がちの目で流し見られて緊張したが特にコメントは無い。
人形のような完璧な横顔を盗み見れば、長い上睫が下の瞼にまでくっきりと影を落している。
ありえない長さ。しかも濃い。
何もかもが規格外だ。下手な役者よりよっぽど美しい。
こんな美貌、正直間近で見ることなんて滅多に無い。
「それは」
横文字の洒落たビンは屯所では見ないものだ。
「オリーブオイル、こっちは大蒜。フェアリートマトと、ハーブ、ひき肉」
すべて流れるように説明したあと土方さんは油を引いたフライパンで肉を炒める。
香ばしいいい匂いにふらふらと台所に集まった連中は厨房に立つ上司に度肝を抜かれた。
ブラックペッパーを削りながら肉とトマトとハーブ、オリーブオイルにその他何やら。

「腹減ってないか?良けりゃ喰え」
皿に無造作に盛り付けられたパスタに喉が鳴る。
「あ、りがとうございます…」

結局夜勤や超過勤務の人間全員に副長様特製パスタが振舞われた。
「あ~西洋酒があれば完璧なんだがな…」
副長様はそういいながら器用にくるくるとフォークをまわす。
この人はそういえば豪快なくせに、出る場所によっては恐ろしく優雅にも振舞える。

「こういったもの、おつくりになるなんて意外でした…」
堪能しつつも恐る恐る伺うと、上司は笑う。
「この間だな、作ってやったら喜ばれたんで、な」
「あ、やっぱ女ですか、副長?」
脇から若い隊士が恐れ知らずに話しかけるのを皆が興味津々といった体で訊く。
「ん…まぁ、そうだな」
ヒューと下手な口笛と羨望の声に土方さんは整った顔を少し笑みに歪めた。
「万事屋のトコの、娘。こーんな頭した、ちっこい」
「何度か、見かけました。桃色の髪の、傘をさした子ですね」
問うと土方さんは頷く。

若い連中はなんだ、と少し残念なような、安心したような判りやすい仕草をしているのが微笑ましい。
「色々あってな、メシ作ってくれってんでせっかくだから小娘の喜びそうなもんをと思ったんだが…」
そこで土方サンは少し喉で笑う。
「茹でる端から食ってくわ、追いつかねェからよ、最後にゃソースの鍋に直接麺の方を放り込む羽目になったぜ……ったく、とんだ小娘だ」
愉快そうにわらって、土方さんは立ち上がる。
「じゃ、お前ら、お疲れさん。ちゃんと休めよ」
ひらひらと手を振ると消えていく背中に感謝しつつ、
そういえば、万事屋の名が出ると、場が緊張していたことを思い出す。
副長の恋人が住んでいる、というまことしやかな噂。
副長に関しては、疑惑の恋人の年齢も性別も不問になるあたりは凄いと思う。
このひとなら確かに、どんな偉い男だろうが傾国の美姫だろうが、恋人にしていて遜色無い。
ときどき、屯所には似つかわしくない高価な贈答品や偉い男の来訪はすべて当然のようにこの人絡み。
が、肝心の恋人の正体は不明。
無粋に思えて詳しく探ってはいない。
観察の山崎さんなら、多分知っているんだろうと脳内であたりをつけたが、
彼が平静なら、まぁ害がある人物ではないのだろう。

 

夜明け前のパスタはとても美味かった。
 

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